健康診断を受ける際、「腫瘍マーカー」を「がんの有無が採血だけで分かるなら追加しておこう」と高額の追加料金を支払ってを追加されていませんか?
残念ながら、現時点では腫瘍マーカーで早期がんはほとんど見つかりません。
腫瘍マーカーはがんを早期で発見する検査ではないのです。また、進行がんでも異常値を示さない場合が多々あります。
腫瘍マーカーが正常だから「がんではなく安心だ」というのは大きな間違いなんです。
ただし1つ例外があり、男性の前立腺がんに関しては腫瘍マーカーで早期に発見することが出来るとされています。前立腺がんは高齢者のがんと言われており、60歳以降でかかる方が多くを占めています。
では、そもそも腫瘍マーカーは何のために行うのでしょうか?
腫瘍マーカーは「進行がんに対して」、手術や抗がん剤治療、放射線治療を行い、その効果判定やがん再発の目安として使用されるものです。
別の臓器に転移するレベルの進行したがんでやっと腫瘍マーカーが陽性になることがほとんどです。また、かなり進行した段階であったとしても腫瘍マーカーが基準値内(偽陰性)であることも少なくありません。
前立腺がんに関する腫瘍マーカー(PSA)以外を健康診断で「がんを早期発見するため」に採血の項目に追加するのは大きな間違いです。
自覚症状の出にくいがんの代表に挙げられる「胃がん」「大腸がん」に関しても、やはり腫瘍マーカーによって早期のがんを見つけることはまず期待できません。
胃がん検査は胃内視鏡検査、大腸がん検査は便潜血検査や大腸内視鏡検査を行います。
胃や大腸に関する腫瘍マーカーは不要です。なぜでしょう?それは胃がんや大腸がんで腫瘍マーカーが上昇しているということは、既に他の箇所に転移してしまっているということだからです。
消化管の早期がんを発見するのは、内視鏡検査が唯一の方法です。胃に関しても先日のコラムの通りバリウム検査ではまず見つかりません。
日本で神話のように当たり前に薦められ受けて来た検査項目、是非この機会に再考されてはいかがでしょうか。
トムソンジャパニーズファミリークリニックでは内視鏡検査も含め良心価格で健康診断パッケージをご提供しています。
新たな1年のスタートに是非健康診断をご検討ください。